冨田勲トークセッション―モーグシンセサイザーから立体音響まで@芸大北千住

またしても芸大のイベントに参加
日付は10/28
予約の整理番号がとんでもなく若い番号だったのでちょっと心配だったが
行ってみると年齢層や雰囲気もかなり広範囲にばらけたマニアの方々で満員の会場
さすがに冨田先生の御威光は健在であった


会場には例のでっかいモーグシンセサイザーが鎮座し
モーグの生音や、サラウンドで先生の作品を拝聴できる
実に有難いマニアの集う夕べ
一応トークイベントなので、お話主体
始まった早々、でっかいモーグの左上の端から、右下の端まで
ツマミ類の役割を全部一つ一つ説明しようと思います、などと絶対有り得ない事を先生が仰るので
正直自分は度肝を抜かれたのだが、会場全体も淡々とした雰囲気のまま
さすがに世界のTOMITA先生、ホントにみっちり端から端までモジュールを一個づつ辿って説明してくださった
イベントの半分はそれに費やしたかもしれないが・・・
いや、今思うと貴重な経験だった
口笛の音をつくるという実演で、オシレーターやフィルター、ADSRだのシンセの基礎を冨田先生自らご教授してくださるという、完全に想定外の幸福・・・
聴衆が全員熱心だから成立する事だろうけど
こういう味の濃いファンをじっくり煮しめたマニアのうま煮みたいなイベントは
対象が少なくても、その少数の人の心にはグッサリ深く刺さるわけで
国費でどんどん開くのはとても素晴らしいことだと思う
ナイス国費!


以下印象に残ったお話を羅列
展覧会の絵のプロムナード〜卵のからをつけたひなの踊り、あれは赤塚不二夫の作品に着想を獲たとの先生の言、ミヨ〜ンという猫のサウンドはニャロメ!
・サラウンド作品は会社の売り文句がまずかった、迫力や臨場感を押しすぎで、大抵の人は自分の部屋では無理だと思ってしまう、音が小さいアコースティックなものでもサラウンドで聞く良さがあるのに、ゴスペルなんか最高でしょ!とのこと
・11月22日にBSハイビジョンで先生の演奏を放送するので必聴


あと、先生がエンベロープを設定するモジュールをピッチとか他のもののコントロールに割り当てたりみたいな話をしていて、あのモジュール構造って相当に自由度は高そうだった、音は実はショボイ(先生も、ずばりショボイという単語をつかった)と言っていたけど、なんというか自分の古い機材に対する認識は違っていたな、という気がした
テープエコーやスプリングリバーブのファジーさを話ている時の先生は、とても生き生きとした表情で
なんとうか、あの会場の中でもキングオブマニアは間違いなく先生だった



『冨田 勲 仏法僧に捧げるシンフォニー』 〜鳳来寺65年目の再訪〜
http://www.jas-audio.or.jp/m/housou/nhk/index.html
↑5.1ch放送!