町田康≠町田町蔵

腹ふり

腹ふり



どうにかなる

どうにかなる



時々無性に聴きたくなる上記2枚
聴いて最も衝撃を受けたのは何れでもなく「どてらい奴ら/FROM 至福団
決定的に名盤という印象なのは「メシ喰うな」なのに、どうしてだろうか…


上に挙げたのはしっかりまとまった普通に聴けるアルバムだと思う
「駐車場のヨハネ」もそういう作品だが、同じ北澤組の「腹ふり」の方が音も刺激もジャケットの格好良さまでもずっと上という印象
ジャケットというと「どうにかなる」の恒松正敏の絵が素晴らしい
中のブックレットも面白くて開くとメンバーの顔写真が見れるのだが、捲るごとにどんどんオッカナイ顔が出てくる
気になる人は是非手にとって確認して欲しい、最後にはとんでもなく怖いお兄さんが出てくる
名義が康になってからは、町蔵のころに比べて生活苦&それにともなうヤケクソ感のようなものが薄れたように感じられる、薄れたというより上手く消化されていると言ったほうが良いかもしれないが…
気違いじみたものから哀愁漂う雰囲気に徐々に移行していくというのは、年齢を経れば当然の流れか
それと、町田康本人はパンク歌手、パンクという言葉にこだわるけれど、個人的にいかにもパンクらしいと思える音源は(若い頃の物も含め)一枚もないと思う
ギンギンのリフとバカ叩きの速いBPMという曲は全くやらない
むやみに攻撃的に、いきり立っているイメージもない
ヴォーカルは抜群に上手だし歌詞の語彙も広く、演奏も時々無茶はするけれど、様々なジャンルに親しんだ経験あるバンドマンがやっているみたいだ
一番パンク的に感じたのは俳優としての姿を見ている時かもしれない
目つきや勢いで見る者を黙らせるような、迫力ある、しびれる演技だった
たしか、「どうにかなる」の後、もう一枚のCDと小説「くっすん大黒」がほぼ同時期に出たと記憶している
「くっすん大黒」は発売間もなく一気に読んだ
衝撃と同時に、ついにおさまるべきところにおさまってしまったのではないかという不思議な感慨があった
言葉の人だ、面白い小説をもっと書けるに違いない
でも、より多くの監督の目にとまって、もっと沢山の映画に出ていたらどうなったろうか…